「私」と「私ではないもの」との境界をかたち作る皮膚の上で生じる、ざわめきのような刺激と気づき。また、それを手がかりに測り合う、”他者との間にあるものを”主題とし、陶に糸や木、ガラス、ウールなどの異素材を組み合わせる彫刻、インスタレーションを中心に作品を発表している。
それぞれの素材の質感や物理的な特性を利用した造形は、太古の道具や装置、あるいは楽器のような印象を与えながら、呼吸をしているような生命感を漂わせる。
制作の背景には、自身の身体感覚や神経伝達における実体験に基づいた、皮膚感覚への深い洞察がある。気配のような目に見えないものすら感じとることのできる人間の感覚器と、そこで生まれるすべての感覚が、人にとって何よりの拠り所であるという実感を持っている。そしてそれに対して、信仰にも似た強い思いを抱くようになったことが、制作の大きな軸となっている。
主な個展に、「lanugo」(Information、東京、2025年)、「monumentum」(minä perhonen galleria nolla、京都、2025年)、「unseen」(cont、愛知、2024年)、「瞼ごしの、または瞼のおくの」(MONO.LOGUES、東京、2023年)、「感応と交信」(MARUEIDO JAPAN、東京、2020年)、「クリテリオム94 北林加奈子”目に見える感触”」(水戸芸術館 現代美術ギャラリー、茨城、2018年)など。
グループ展に、「whirlpool」(GASBON METABOLISM、山梨、2025年)、「act. Inframince」(OGU MAG、東京、2024年)「皮膚で「見る」」(MARUEIDO JAPAN、東京、2023年)、「インクルーシブ・サイト-陶表現の現在」(千葉市美術館、千葉、2022年) 「Count the Waves - 見えないものをつなぐ」(東京藝術大学 大学美術館 陳列館、東京、2019年)、「BREAK/BREAKER シュート彫刻のありか」(武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス、東京、2019年)
など。